卒業生へのインタビューIT大手富士通の人事部門で活躍する 森安さんが語る 「データ分析の面白さ、活用法」とは?

関西学院大学経済学部卒業生 森安 誠さん

兵庫県神戸市出身。2014年に関西学院大学経済学部に入学。2年生の時に上村ゼミに入り、主に財政学について学ぶ。また、在学中にカナダに語学留学を行った。
2018年、卒業後に現職の富士通株式会社に入社。人事部門に配属され、採用活動や社内の人事制度設計業務に従事している。
「学生時代に身につけるべきスキルって何だろう?」と考えたことはありませんか?

“データ分析”

そう話してくれたのは、関西学院大学経済学部を卒業し、現在は人事部で組織のルール作りに取り組む森安誠さん。

社員の意見に向き合い、より良い組織作りのための施策を提供し続ける森安さんに「データ分析の面白さと活用法」について教えていただきました。

卒業後はIT大手、富士通へ組織のルール作りに取り組んでいる

 

森安さんの就活体験談を聞かせてください。
カナダに留学して海外に居たのでグローバル企業が良いなと思っていました。

あと、あまり自分に自信がなかったので自分を育ててくれる、かつ成長業界がいいなと考えて、IT業界の富士通を選びました。
富士通と言えばパソコンというイメージがあります!
皆さんそう仰られるんですが、メインはそうじゃないんです。

例えば、銀行にあるキャッシュレスシステムを富士通が担当していたり。あとは医療で言うと、病院の中の患者さんの情報を電子で管理する電子カルテのシステムを富士通が担当していたりします。
身近な生活に欠かせない技術ですね!
他にもありますよ!

金融機関のIT部門や国、官公庁のシステムも担当しています。
もっと身近な所で言うと、図書館の本をITで管理するシステムも担当しています。

幅広く、富士通が持っているIT技術を様々な業界と連携してサービスを展開しています。
森安さんの仕事内容を教えていただけますか?
富士通株式会社で現在、人事部門を担当しています。

人事の仕事は大きく分けて二つあります。
一つは人を獲る、採用するという仕事。
人事と聞くと、採用活動が初めに思い浮かびます!
二つ目に、社内の人や組織を管理する仕事で、私は主にこちらを担当しています。

具体的に言うと社内のルール作りや人事制度作りをしています。会社は一つの組織なのでルールが必要なんです。

例えばどういう基準で人を評価するか。こういう成果を出した人にはこれだけの金額をお金払いましょうとか。後は、人をどのようにして異動させるか。
異動は上司からの指示という印象があります。
おっしゃる通りで、これまでは上司が異動の指示を出していました。

社員の意思を尊重するべく、現在は、より自立した一人一人が、自分たちで自分のキャリアを考えていけるような仕組みやルールを作っています。
大きい会社だからこそルール作りは大切ですよね。
他にも、今まで日系企業は終身雇用や年功序列というシステムが主だったんです。

そこを、欧米のように、年齢に関係なく仕事に人をつけるといった仕組みに変えています。

人材育成も欠かせません。具体的には、社長を含めた次の役員をどう育てるか?に取り組んでいます。

社内にカテゴリーをいくつか作り、その中から選抜して人を育てるということをしています。

データ分析を学ぶこと=自分の武器を増やすこと

仕事の中でデータを活用する瞬間を教えてください。
人材育成の中の教育のルールを作っているときによく活用します。

例えば闇雲にこんな研修や教育がいいんじゃないかっていうのを提案することもできるのですが、それだと周りは納得しないし効果も発揮できるかわからない。

そういった時に必要になってくるのが、データなんです。
データを使うことで施策の信頼度が高まるんですね!
社内で会社に対する不満や文句といったマイナス面を含めたアンケートを取っているのですが、そうしたデータも活用しています。

約十数万人いる社員からのアンケート結果を集計し、施策を考えたりしますね。
十数万人!かなり大きな規模ですね。
どんな意見が出てきたりするのでしょうか?
例えば社内の教育研修制度を増やしてほしいという意見がありますね。

ある年代の層がこういう研修を求めているとか、女性の方が教育を受けている時間が短いということも全てデータで分かります。

もっと女性向けの研修施策を行うべきとか、研修を一律に提供するのではなく、自分で選べるような仕組みにしたらいいんじゃないかみたいな施策も、そうしたデータを分析して考えています。
施策をゼロから生み出す訳ではないんですね。
そうですね。

まずベースになるようなアンケート結果を基に、あとは人員の比率や年齢別、性別、役職別それぞれの課題をデータ分析した上で、研修施策を提供しているというような流れです。
仕事の中でデータが重要だと思う瞬間はいつですか?
周りの関係者への協力を求めるときにデータが必要だと感じます。

結局、データが全てではないんです。データから見える課題があって、そこでそのデータを全て中心に置いて施策を考えているかっていうと、そうじゃないんです。

実はその裏でインタビューを行ったり、職場の生の現場の声をヒアリングしたり、そういったものも当然行っているんですよ。

割とそこでの感覚値が施策内容に影響していたりします。
データだけでは見えないこともあるんですね。
ただ、上司や経営幹部役員、受講される社員の皆様に対して、定性的なヒアリング結果の声だけだと響かないんです。

共通の課題認識も出来にくい。だから、そうやってお客様や従業員に対して施策を提供する時に、データが役に立ちますね。

例えば男性は割と時間が取れて勉強できるけど、女性は若い時は取れてないよねとか。そういうデータがあると、みんなが納得してこういう課題があるならば、この研修が必要だよねとなり前に進むことが出来ます。
大企業だからこそ、共通認識を取ることが難しそうですね。
例えば、これが10人ぐらいの少人数だったら別にデータがなくても、みんなの共通的な感覚があるので、データを取らずに進むことができます。

これが大きい会社になってくると、一歩二歩進むだけでもすごい時間かかるんですよ。

そのときにデータがあると一発でみんなの共通認識が取れる。そうしたときにデータが重要だと感じます。
データ分析の面白さは何ですか?
仮説がある上でデータ分析を行うので、その仮説通りにデータが出た時は気持ち良いですね。

例えば、女性は何歳ぐらいまで研修や教育に対して積極的なんだろうという問いがあるんです。僕の仮説としては、たぶん20代〜30代前半までがそういうことに対してポジティブな印象を持って、30代後半から落ちてくるんだろうなという仮説があります。

実際アンケートをとって分析すると結構データとして30代後半から研修に対する積極性とか、キャリアに対する想いが、下がる傾向が見られました。
仮説にはまったときはとても気持ちよさそうです!
おそらくこのデータから見るに、子供や家庭の影響を受けて仕事以外に対する研修や、そういったところに時間を取れないんだろうなって言う仮説をまず立てます。

そこからもう少し違うアンケートを取って得られたデータの結果と照合する。それが一番楽しいなと思います。
仮説を持ってデータを見ることの重要さが分かりました。

次に、受験生に向けてデータ分析を学ぶことの大切さを教えてもらいたいです。
武器を増やす感覚だと私は思っています。

今後、大学生や社会人になって、いろいろなことに取り組むと思いますが、絶対につきまとうのが周りの関係者への協力依頼です。他の人たちと協力して何かを一緒にやるっていうことが絶対あると思うんですよ。

そのときにデータ分析という自分の武器があるかないかで、関係者との連携協力関係みたいなところの築きやすさは全然違いますね。
共通認識が取りやすいからですね!
今はデータ分析はとっつきにくくて、理系っぽいし、自分はそのタイプじゃないって思う人もたくさんいると思います。

先輩として言えることは、今後チームで何かを進めないといけないといったときに、データ分析という武器があるととても進めやすいので大事だと思うということです。

経済学部では“共に努力できる仲間”と“社会の出来事を自らに落とし込む力”が手に入る

関西学院大学経済学部でデータ分析を学べるプログラムが出来ることについての感想があれば教えてください。
先程言ったように、武器を大学時代に一つでも作れる機会があるのはとてもいいと思いますね。積極的にやって欲しいです。

私は大学時代よりも、社会人になってからデータ分析を本格的に勉強してきたなと思っています。ただ、大学の時にもっと勉強したかったなという思いがありますね。
確実に自分の武器になるスキルを大学で学べるのは当たり前じゃないんですもんね。
大学生の時は、もしかしたらデータ分析のアウトプットはあまり聞かないかもしれないですけど、社会人になるとそういう機会があるんだっていうのを、頭のどっかに入れておいてもらえると、大学時代に分かりやすい武器を一つ手に取ることが出来るのでいいなと思います。
関学経済学部を受験生におすすめする理由を教えてください。
大きく分けて二つあります。

一つはゼミというコミュニティに力を入れた学部だということです。大学時代にしか経験できないことは、横のつながりを手にすることだと思っています。

社会人になると意外と横のつながりがなかなかなくて、そういう意味でも大学時代のゼミという一つのコミュニティは、みんなが同じ方向を向いて努力出来るとても貴重な場であると社会人になって思います。ゼミ仲間とは今でも仲がいいです。
確かに社会人になると縦のつながりは多いですが、横のつながりはあまり無いです。
二つ目は社会全体を考えて、そこから今の自分にどんな影響があるのか落とし込む作業が経済学を通してできることです。

経済学は景気や物価の上昇といったことを勉強して、それって今の自分たちにどういう影響があるんだろうっていうのを考えられる学問だと思うんです。
社会を俯瞰的に見るのですね。
例えば、富士通で言うと銀行のシステムを開発して金融業界に対してとても大きな影響を与えたんですけど、じゃあそれって自分たちの生活にどういう効果があるんだろう?価値があるんだろう?っていうのを考えるんですよ。

マクロ的なものからミクロ的な自分たちの生活の所まで落とし込むことが求められます。それがある意味自分のモチベーションになるんですよね。

仕事って直接自分の生活に影響するものばかりではないじゃないですか?
自分からは少し遠い、大きいところに影響があることが多いのでなかなか実感値として得られにくいところがあるんですけど。

マクロ的なところから自分の生活まで落とし込むことが出来れば、自分で今こういうことやってるんだなというのが分かるんですよね。
大きな流れの中の自分の役割を認識するのはすごく大事ですよね。自分たちの仕事がどう世の中につながっているのかを俯瞰的に見られた方がやりがいも出るでしょうから。
経済学も結構似ていて、抽象度の高い大きなテーマを扱います。物価や財政状況はどうなっている?なんていうのはすごい自分とは遠い所の大きい話をしている気がするんですけど、実はちゃんと分解すると自分たちの生活に、大きく影響あるんだなって言うのが分かります。
そういう抽象から具体化みたいなところは経済学で学べるので。お勧めです。
本当に貴重なお時間をいただきありがとうございました。

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森安さん、ありがとうございました!

関西学院大学経済学部を卒業し、データ分析のスキルを活かしながら、人事領域で活躍する森安誠さん。

“データ”というと少し難しく感じてしまうかもしれませんが、

誰かに協力して欲しい時、武器になってくれるものがデータだと言います。

あなたも関西学院大学経済学部で新しく始まる課題解決型データ分析プログラムを通して、

チームで取り組む際にも役に立つデータ分析の能力を身に着けませんか。